こんにちは編集第2グループの谷岡幸恵です。お酒関係をはじめとした実用書や国内ガイドブックなどを担当しています。先日、『日本酒 完全バイブル』(監修:武者英三/ナツメ社)の編集を担当したご縁で、名酒センター主催イベントTokyo SAKE Collection 2015に行ってきました。20歳代前半の若い人向けの講座あり、外国人向けの英語講座あり、日本酒好きが集まる試飲会ありと、盛りだくさんの内容。今回は当日の様子をレポートします。(公開:2015年5月21日/更新:2022年1月23日)
Tokyo SAKE Collection 2015
2015年4月19日(日) 会場:増上寺 慈雲閣(東京・芝公園)
主催:名酒センター
運営:ウイメンズ日本酒会
協力:酒徒名人会
course①[お酒の楽しみ方講座&利き酒]は若者の感性を活かした日本酒ワールドへの扉
4部構成のこのイベントは、20〜25歳対象の無料ワークショップ「モテる日本酒講座」からスタートしました。講師は学生日本酒協会代表・伊澤優花さん。彼女は生家「勝山酒造」の営業活動にも携わっている現役東大生。普段お酒をあまり飲まない若者層に、これからもっと日本酒に親しんでもらおうという趣旨の講座です。
マナーや飲み方について、「かっこいい」「かっこ悪い」や「モテる」「モテない」という若い人にも伝わりやすい“感覚”を交えた身近な例を挙げながら分かりやすく伝授。グループに分かれて行われたテイスティングでは、テーブルごとになごやかな雰囲気のなか、楽しそうに日本酒を味わう若者たちの姿が。私が今まで参加した試飲会イベントとはまた違う初々しさを感じた講座でした。
course②クールジャパン! 酒サムライによる[英語でのお酒の楽しみ方講座]
近年、世界中で人気が高まっている日本酒。英語でSAKEのおいしさ・楽しみ方を伝えるこの講座、講師は中村悦子さん。世界に日本酒の魅力を広める酒サムライという称号をもつ英語通訳ガイドの方です。
参加していたのは観光客や日本在住の外国人の方々。…正直、私の語学力では詳細な内容はワカラズ…。ところどころ「DAIGINJYO」「JYUNMAISYU」などの単語が聞きとれて「あ…そこは日本語のママなんだな…」と変なところに感心していたのですが(笑)、中村さんのレクチャーに熱心に耳を傾けている外国人の方々の姿を見て、国際的に日本酒の人気が高まっていることを肌で感じることができました。
course③④ ファッションショーのような「試飲会」!?
第3部・第4部で行われた入れ替え制の試飲会は、ファッションショーのようなオープニングからスタート。ランウェイに見立てた会場中央を蔵元さんがひとりひとり入場する、イベント名の「Collection」にも納得の新鮮な演出です。第3部では慣れていないためか多少気恥ずかしそうだった蔵元さんたちも、2度目の入場となった第4部では、笑顔で手を振りながら入場されていました。
その後、おまちかねの試飲会がスタート。参加者はおちょこを片手にいそいそと蔵元さんをまわります。
23もの蔵元の銘酒が飲み比べできることに加え、蔵元さんと直接お話しをしながら試飲できるのがこのイベント最大の魅力。みなさん蔵元の説明に聞き入ったり、ここぞとばかりに質問をしたり、お話に花を咲かせていました。
日本酒の裾野を広げる暖かみのあるイベント
今回の「Tokyo SAKE Collection 2015」通称・酒コレは、通常の日本酒イベントとはひと味違っていました。特に、20〜25歳が対象のcourse①[お酒の楽しみ方講座&利き酒]は他にはない試みで、非常に興味深かったです。近年、若者の酒離れが進んでいるといわれていますが、学生日本酒協会を中心に若者たち自身が日本酒のイメージアップを図ろうとがんばっていることが分かりました。
そして日本酒イベントの魅力といえば、やはり造り手である蔵元さんのお話しを聞きながら、新酒や限定品などを含めたたくさんの銘柄と出会えること。今回のイベントは、アットホームな雰囲気で、蔵元さんと来場者の距離が近いと感じました。もちろん、私も『日本酒 完全バイブル』でご協力いただいた蔵元さんにご挨拶しながらしっかり試飲して回りましたよ(笑)。
日本酒の魅力を知るきっかけに、よりディープに日本酒の世界にはまる口実に(笑)、みなさんも日本酒イベントに出かけてみてはいかがでしょうか? 次回の酒コレも楽しみにしています!
●編集=谷岡幸恵(アーク・コミュニケーションズ)
●写真撮影=大山勇一
●文章協力= 魚住陽向(フリー編集者、小説家)